Scenario - dark
最期の花火
A | 23台詞 |
体内に無数の起爆装置を抱えた少年。既に自分の運命を受け入れおり飄々としている。 感情が一部欠如(麻痺)している。※話し方はいたって普通です。 |
B | 25台詞 |
体内に無数の起爆装置を抱えた少年。自分の運命を受け入れられずにいる。 感情は全てある。 |
役名 | 番号 | 台詞 |
A | 01_a01 | はぁ……まったく…どうして君はそうなの? 意固地になって現実を認めない…まるで子供だね。 |
B | 02_b01 | 馬鹿言うなっ! 俺はお前の方が信じらんねぇよっ! 何でそんなさらっと受け止められんだよっ!? |
A | 03_a02 | なんでって……受け止めなきゃどうしようもないだろう? 抗ったところで何も変わらない。自分が痛い目に合うだけじゃないか。 |
B | 04_b02 | くっ… |
A | 05_a03 | 僕は君みたいに、不要な傷を負いたくはないんでね。 |
B | 06_b03 | ………くそっ(ぼそっ) |
A | 07_a04 | はぁ……どうして認められないのかな? 自分自身のことなんだから、薄々勘付いてはいたはずだろ? |
B | 08_b04 | ……… |
A | 09_a05 | 認めたくないから、ただそれだけで敵を増やすのは利口な手段とは言い難いよ? |
B | 10_b05 | でも……だからって…っ!! |
A | 11_a06 | 認めてしまえばいいんだよ、僕みたいに。そうすれば、無用な争いに巻き込まれることはおろか、出くわすこともなくなる。人生を謳歌出来るんだよ? |
B | 12_b06 | ………こんな、錆びついた檻の中でかよ… |
A | 13_a07 | そう。この腐り切った無色の世界だって、受け止め方次第で様々に色を変える。君も、それに早く気づくといいよ。 |
B | 14_b07 | ……… |
A | 15_a08 | ………まだ分からないの? 運命には逆らえないんだよ? 生まれた瞬間に背負わされた宿命なんだから、背負っていくのもまた定め…足掻くから辛く傷つくことになる。 |
B | 16_b08 | それでも…俺は嫌なんだ…こんな、明日にビクついた生活は… |
A | 17_a09 | だぁから、それは僕みたいに全てを受け入れてしまえば問題ないんだよ。どうってことないことだろう?人間なんて、皆(みな)いつかは死ぬんだから。 |
B | 18_b09 | ……… |
A | 19_a10 | それが人より早いか遅いかの違いだろ? 僕たちは、人より少し違う最期を迎えるだけだよ。何ら大差はないさ。 |
B | 20_b10 | ………お前は…怖くないのか? |
A | 21_a11 | 「怖い」ね…ふふふっ、恐怖なんて、とっくの昔に忘れ去った感情の一つだよ。今じゃ、あんなに嫌がってた仕事でさえ、最早快感に近いしね。 |
B | 22_b11 | ………いいな、それ………俺もいつか、お前の領域にまでたどり着くことが出来るかな………? |
A | 23_a12 | 出来るさ。僕らは、同じ血を受け継ぐ仲間なんだから。 |
B | 24_b12 | 「仲間」…か…。こんな檻の中でも、この言葉だけは生きてるんだな。 |
A | 25_a13 | 当り前さ。そうじゃなきゃ、僕もここまで来られなかったよ。 |
B | 26_b13 | そっか……… |
A | 27_a14 | うん。 |
B | 28_b14 | ………分かった。俺も明日からは、この宿命を受け入れられるように努力してみるよ。 |
A | 29_a15 | そう…よかった… |
B | 30_b15 | ………あぁ |
- 数日後 - |
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SE | - | 【遠くで響く爆音】 |
B | 31_b16 | っ!? 今の音は…! |
A | 32_a16 | 『僕らは、人とは少し違う宿命を背負わされた、哀れなネズミ』 |
B | 33_b17 | ………そうか…あいつ、死んだのか… |
A | 34_a17 | 『その身に無数の起爆装置を埋め込まれた状態で生を受ける』 |
B | 35_b18 | なんだか、呆気なかったな… |
A | 36_a18 | 『原因は分からない。母親と呼ばれる存在の体内で既に異変が始まっているのか、生まれ落ちた瞬間に手を加えられるのか…それすらも、定かではない』 |
B | 37_b19 | 歴代の仲間の中では一番綺麗な最期だったって聞いたけど…どんなだったんだろう… |
A | 38_a19 | 『ただ一つ知れるのは、決められた回数鼓動が脈打つと、何の前触れもなく起爆するという事実』 |
B | 39_b20 | 何色だったんだろう…あいつの好きな青かな? |
A | 40_a20 | 『その際、体内から色とりどりの閃光が走る』 |
B | 41_b21 | それとも…やっぱ赤? |
A | 42_a21 | 『それを人は、「花火」と呼んだ』 |
B | 43_b22 | あぁあ…これで、残ってんのは俺だけか… |
A | 44_a22 | 『起爆するまでの回数は人それぞれで、真っ当な人生を謳歌出来る者もいる』 |
B | 45_b23 | ははっ、忘れてたはずなのに… |
A | 46_a23 | 『僕らのように、幼い身体で起爆することは…とても稀なことだと言う』 |
B | 47_b24 | 淋しいなんて……… |
SE | - | 【上下の台詞に被るように、耳元で響くカウントダウンの音】 |
B | 48_b25 | 俺も、少しでも綺麗に散れたらいいんだけどな… |
SE | - | 【…爆音】 |
2008.09.17